2026年6月5日金曜日

薬草栽培見学と産廃汚泥肥料工場学習会 報告

 

ビーツ畑

5月23日の地区会・学習会は天気にも恵まれ、無事に終わりました。遠くは阿南町から10数名が参加。薬草(クコ・シャクヤク)と野菜畑(ビーツ・玉ねぎ)を見学しました。お昼は、ねずみ大根のおろし汁と手打ちそばで参加者の交流会も行われました。

午後は、麓の公民館に移動、地元の一般の人、10数名も学習会に合流。今回訪れた畑の近くに汚泥肥料工場(約7,000㎡)ができて、それと一緒に大規模農地開発が行われる予定だそうです。計画では、県内外から汚泥を中心に毎日100tの原材料が入ってきて、毎日10t(年間3,500トン)の汚泥肥料が生産予定。その一部は高原全体を再開墾して撒かれる予定。会員の津村さんからは、安曇野市三郷地区で別の会社による同様の施設に対して約200世帯近い住民が反対運動を実施中との紹介。元会員の江口さんから、飯山市なべくら高原で、今回の会社(旧 飯山たい肥センター)の過去の出来事をお話し頂きました。質疑と意見交換会では、海外からの肥料の原材料(特にリン)の不足に対しての国の方針など汚泥を評価する意見が出されましたが、書類揃えば手続きを進める可能性のある行政の対応、悪臭や排煙による山枯れなど大気汚染、重金属やマイクロプラスチック、PHASなど化学物質による土壌と地下水の汚染、またそこで収穫された農作物の汚染(子どもへの影響など)の心配の声も上がりました。最後にEMBCという微生物の醗酵技術や伊那市の会社の酵素によって汚泥が無くなることも紹介されました。大変有意義な学習会でした~。(大内)
見学会

「和平 野菜・薬草畑見学」に参加して

長野市 福澤朋子

 5月23日会員の佐藤恵さんからのお誘いにより坂城町和平での勉強会に参加しました。
迷路のような山道を経て和平キャンプ場に到着。車外は冷涼な空気に包まれていました。
そう。ここは標高一千メートルの高原でした。
 参加者は、野菜・薬草畑を営む大内さんの案内により、キャンプ場よりやや小高いなだ
らかな傾斜地に広く開けた畑まで移動しました。まず、クコの畑でした。膝丈程のクコの
木が何列にも整然と栽培されており、数名が作業中でした。ここで、大内さんと薬草栽培
で提携する生薬企業の谷口常務から薬草の定義について説明があり、「薬草とは国が定め
る重要成分を持つ薬用植物を指す。効能が強い分、取り過ぎは危険であり、認定業者しか
扱えない。農薬を使用しての栽培は不可。」とのことでした。次いでクコについて「実が
なる前に茎や葉を収穫して薬用としている。」との説明がありました。赤い実のことしか
頭になかった私には驚きでした。
 畑の傍らには堆肥にするための茸の排菌床がありました。触れると発酵中のためぽかぽ
かと熱い程でした。生薬栽培のため有機質のものを使うなど、自然環境を守る工夫がされ
ていました。
 クコの畑から少し離れて大内さんのビーツ畑と芍薬畑がありました。ビーツ畑は鹿対策
として8千ボルトの電柵で囲まれていました。
今は芍薬の開花時期ですが、薬用となるのは地下茎部とのことで、根を太らせるため花が
咲かぬよう芽欠きがをしてしまうとのこと。また、2年ものの苗を植え4年かけて育てて
やっと出荷できる大きさになるなど、気の長くなるような栽培過程を大内さんから拝聴し
ました。
 あっという間に昼食時間となり、安曇野市の「和(なごみ)」さんの出前手打ちそばを
頂きました。大内さんから提供された鼠大根のおろしもソバ汁に甘くからみ大変美味でし
た。食事後、簡単な自己紹介の時間となりました。上田から参加した吉田さんの竹炭・竹
酢作りの話には、皆が興味津々。とても有意義でした。食事後、和平キャンプ場にある朴
の巨木が花を咲かせているのを見つけ甘い香りを楽しむなど高原を満喫した半日でした。
大内さん、会員の皆様、ありがとございました。
シャクヤク畑:見学会から2週間後

「産廃汚泥肥料工場学習会」に参加して

長野市 匿名

 各地で排出される汚泥を収集・堆肥化して坂城町内高地にある農地に散布・活用する事
業計画が現在実現に向けて動いています。
今回の学習会は有機農業研究会主催により本事業の実施主体たる事業所、散布予定地
域の地元住民を招き、本事業の環境への影響・安全性等に対する確認や意見交換の場とし
て催されました。
 事業計画によると、同地で汚泥の堆肥化施設を設け有機質肥料の製造・販売を行うほか
農地を再開墾してこれら肥料を活用した農業を営む予定であり、これらは同じ企業集団に
所属する汚泥処理法人・肥料生産法人・農業生産法人の3事業所により実施されます。
 学習会では冒頭、事業所作成による事業計画が紹介され、その後、過去同様の施設を受
け入れた飯山市・安曇野市から参加した各有機農業研究会関係者から、施設受入後に各市
で発生した諸問題(汚泥の運搬から発生する振動・騒音問題、汚泥の堆積による悪臭の発
生、付近樹木の立ち枯れ、付近水源への影響及び魚類等の生態系への影響等)の紹介があ
りました。
 地元住民関係者には懐疑派と推進賛成派がおり双方から活発に意見が出されました。
 例えば懐疑派の参加者からは、「計画中の土地は冬期の積雪・路面凍結が酷く汚泥運搬
に支障がある。除雪作業等、様々な困難が予想されるがどう経営していくのか、事業主体
の事業所にその覚悟はあるか。」「事業所が排出する産廃の汚泥には重金属等、人体への
有害物質が含まれる。これらは受け入れないとの計画だがこんなことは本当にできるのか
。」「有害物質が一度農地に入れば、ずっと残留してしまい影響がある。慎重な対応が必
要。」との意見・質問が出されました。 
 また、推進賛成派からは、「法定値は守るのだから安全は担保されている。とやかく言
うべきはない。(事業計画では汚泥を固形物と汚水に分離する際、汚水を千曲川に放流で
きる程度まで微生物処理するとしており、本意見はこれを指すものと思料される。)」「
汚泥は危険との印象ばかりが先行している。」との意見が出されました。
 学習会終盤、飯山市の有機農業研究会関係者から、「飯山市では行政側から、どんな事
業所からどんな産廃を収集したか、データを提供してもらった。もし、施設を受け入れた
のならばデータを出してもらうと良い。」と経験に基づく貴重な提案を頂きました。
 最後に私見ですが、法定値等の安全基準はその時々の事情に合わせて変わり得るものな
ので過信すべきではないでしょう。冬場は高地での運搬上、頻繁に塩カル散布がなされる
でしょうが、周辺への塩害が出ないよう対策が必要かと思います。寒冷地の農地で微生物
の分解がどの程度進むのか、年間を通じた計画の実現性を吟味すべきではないでしょうか
クコ畑:見学会から2週間後