講師 信大農学研究科森林科学専攻 修士2年大澤崇季さん
テーマ 田んぼの生き物、とくにゲンゴロウの生態と保全を考える。
場所 高遠青少年の家 ログハウス宿泊棟
参加者 26名
大澤さんは昨年末発行の会報「No.91 2015年冬号」で「水田に生息する水生昆虫群集の現状と価値について」と題して佐久市でのフィールド調査の成果を発表。記憶にある方も多いのではと思います。
今回の学習会はその大澤さん本人をゲストに迎え、スライドを見ながら田んぼの生き物について学ぼうという主旨で企画しました。
「この春大学院を卒業して某農薬メーカーに就職が決まりました。ベテランの研究者ではないので、皆さん、僕のことは大澤くんと呼んで下さい!」
というあいさつから入ったスライドショーでしたが、里山が好き、田んぼが好き、なかでもゲンゴロウが大好きという大澤さんの熱気が伝わる発表でした(内容は会報のレポートと重なるので割愛。慣行田と有機田の生き物調査の比較、ゲンゴロウの生態など)。
そのあとの交流会でお酒を飲みながら僕、ハマダが大澤さんに質問してみました。
「長野県ってタガメが絶滅してるよね。なんとか復活できないかな」
すると大澤さんいわく
「うーん、どうですかねえ。全国的にみるとタガメがフツーにいるところもあるんです。長野はそもそも生息個体が多かったわけではないので、僕個人としては復活させる意義をあまり感じないのですが…」
うむむ、冷静です。ま、それにしても水面下の生き物をじっくり観察する時間をなかなか持てない僕なので「生き物って楽しいですよ、みなさんゲンゴロウにもっと愛を!」と語りかける大澤さんの発表はとても刺激的でした。
写真
①稲刈り後に雨がふって田んぼにたまった水にトンボが産卵するのが見れた。
②大澤さんのレポートによると、機械除草で貝類が減少することもあるらしい。有機農法も様々で、一概に生物の多様性にプラスとは限らない。
③最近の赤トンボの減少は苗箱の農薬(殺虫剤など)が大きな原因だと言われている。数年前に僕がとなりの慣行田とヤゴ発生の比較調査をしたときも、極端な結果の差(慣行田でのヤゴの発生ゼロ)に驚いた。
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